小さな花屋の業務日誌
男性0:女性2 短め
店主→朗らかなおっとりした女性。花が好きで花に囲まれた生活をしたくて花屋を立ち上げた。
女の子→快活な女子中学生。祖母が段差を踏み外して転び入院した為見舞いの花を買いに来た。
店主 「×月×日 業務日誌。今日はおばあちゃんのお見舞いの花を求めて女の子が来た。」
店主 「いらっしゃいませ。」
女の子「こ、こんにちは。」
店主 「こんにちは。ごゆっくりご覧ください。」
女の子「あの!」
店主 「はい、どうされましたか?」
女の子「お見舞いに最適なお花って、どれになりますか?初めてお花を買うので、よくわからなくって・・・。」
店主 「お見舞い・・・ですか。それならガーベラはいかがですか?お値段も手ごろですし、王道ですよ。」
女の子「そうなんですか?じゃあ、それでお願いします。」
店主 「はい。ガーベラは何本お取りしますか?」
女の子「あ、えーと、そっか。ガーベラだけじゃ寂しいかもなぁ。ガーベラだって色んな仲間が一緒の方が良いですもんね!」
店主 「そうですね。では他のお花も混ぜて花束にされますか?花瓶が無いようでしたら、フラワーアレンジがオススメですが。」
女の子「えっと・・・花瓶があるか分からないので、アレンジして貰っていいですか?」
店主 「かしこまりました。他に何か気になるお花はありますか?ガーベラと一緒に、お見舞い相手の方を元気付けて貰いましょう。」
女の子「そうですね!んー・・・あ、これ可愛い・・・。」
店主 「トルコキキョウですね。気品と愛らしさを兼ね備えたお花です。こちらもアレンジに加えますか?」
女の子「はい!」
店主 「かしこまりました。ではこちら2種類をメインにアレンジを作っていきますね。」
女の子「お願いします!」
店主 「お任せ下さい。」
店主 「お待たせ致しました。こちらでいかがでしょう?」
女の子「わぁ・・・綺麗・・・!」
店主 「ありがとうございます。」
女の子「あ、この小さいのは何て名前のお花なんですか?」
店主 「そちらはアカツメクサといって、メインのお花を更に輝かせる縁の下の力持ちです。
このお花がないとアレンジが成り立たないんですよ。花言葉は実直、勤勉、善良で陽気。
お客様の明るさや無邪気さに、どこか通じるものがありますね。」
女の子「えへへへ。花言葉かぁ・・・。じゃあガーベラとトルコキキョウにも花言葉ってあるんですか?」
店主 「はい。トルコキキョウは清々しい美しさ、優美、希望。ガーベラは希望、前進。
更に今回使っているピンクのガーベラは崇高美、感謝、思いやりという意味もあります。」
女の子「色によって意味って違うんだ・・・。初めて知りました。」
店主 「色んなお花がありますから、気になったら調べてみて下さい。きっと素敵な発見がありますよ。」
女の子「はい!おばあちゃん、喜んでくれるといいなぁ。」
店主 「きっと大丈夫ですよ。」
女の子「・・・ですね!ありがとうございました!」
店主 「また何かあったらお越し下さい。そうですね、次は退院祝いにでも。」
女の子「はーい!絶対に!」
店主 「ありがとうございました。またのお越しをお待ちしております。」
店主 「ガーベラ達が女の子のおばあちゃんを必ず元気付けてくれるはず。我ながら良い出来だったと思う。
・・・きっとおばあちゃんとしては、お花よりも女の子の気持ちが嬉しいだろう。
けど、その気持ちを伝えるキッカケや、証になってたら、こんなに嬉しい事はない。
あのお花はあくまで気持ちを分かりやすいように、目に見えるカタチにしたものだと思うから。」